三沢光晴を悼む

 プロレスは、美しい 我慢比べ。
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プロレスは” 魅せるスポーツ ”。 1日に何千回もの腕立て伏せや、スクワットをして 鍛え上げた肉体から繰り出される、 スープレックス( 投げ技 )・ラリアット( 丸太のような腕をぶちかます )・ドロップキック・ムーンサルト プレス ( コーナーポストに登って、そこから相手めがけて回転しながら落下する )etc。 

 男なら誰もが1度は憧れる、筋肉の鎧を身に纏って、スポットライトを浴びながらお互いの技を応酬する、【 型 】の美しさ。 
 かつて夢中になって見ていた、私の中で スポーツだった頃の プロレス。


 プロレスは、” 耐えて見せる ” ショー。 激しい体当たりに、耐える。 体を反り返らせるほどの固め技に、歯を食いしばって 耐える。 ビンタの連打に、耐える。 コーナーポストや 客席のイスで額を割られ 流血に耐える。 故障だらけの体に鞭打ち リングに上がり続けることに、耐える。 1年中、体がどんなにボロボロでも 日本中を巡業して回ることに、耐える。 40歳を越えても、筋肉を維持しなければならぬ 老い ” に、耐える。

  真剣勝負のお題目を掲げた、過激さばかりをショーアップする” 陰惨な ” Kー1や 総合格闘技と比較され、生ぬるいと極度に過小評価されることに、耐える。 

『 プロレスは、八百長。 インチキ 』 的外れな偏見に、耐える。


 ルールが無いようでいて、その実 一線を越えないようにと お互いの不文律が成立しているのは、事実。 敵対関係や 対立の構図も、あくまで” 続き物 ” としてのファンを楽しませるための仕掛け であることも、事実。

 けれども、ダンプカー同士がぶつかり合うような、衝撃は、本物。 拳や 足や 頭突きや 巨体を受け止めたときの 重さは、本物。 万力のような 絞め技で 腕や足を ねじられたときの 苦痛に耐える表情は、本物。 リング上で お客さんの前で 我慢比べを披露する 真摯な姿は、本物。 

 以上が、20歳を過ぎてからの私のプロレス観。 TV画面の前で、我慢比べを 力の限り見せてくれる” ショーマン ” たちに思わず拍手したり、拳を握りしめ、興奮するのが、30歳以降の 私。  

 様々な困難を、『 耐えて魅せる 』 プロレスは、お客さんが自らを投影できるスクリーン。 

ジャイアント馬場が創設した全日本プロレス。 御大亡き後、 純粋なプロレスリングの精神を受け継ぎ、新団体『 ノア 』を旗揚げした男、それが三沢 光晴。 力強さと 我慢強さ を持ち合わせ、受け身の名手だった 三沢。  看板選手と、中小企業の社長業という激務を 兼務していた三沢。 故障という、重くて偉大な勲章を 体中にたくさん抱えていた三沢。 46歳なんて早すぎる。 合掌

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